初めてのウェビナーは少し緊張しました。
Photo by Alex Litvin on Unsplash 

先日、クリエイティブワークに関わらない非デザイナーのスタッフ向けに、「デザインとはなんぞや?」と自問自答にも似たお話をしてきたので、ここにまとめておきます。

年に数回、スペースを借りてやっているのですが、今回はコロナ真っ只中ということもあり、ウェビナーという形で開催されました。
使用した資料の公開はしませんが、内容を掻い摘んで説明していきたいと思います。

スポンサーリンク

非デザイナー向けウェビナーの目的は?

まず最初に「なぜ、非デザイナーのスタッフ向けに、デザインの話をするのか」から書いていきたいと思います。

私の勤めている会社は、基本的に多様な媒体のデザイン制作をしている、俗にいう制作会社なのですが、制作段階になってから登場するのではなく、案件によっては“制作するちょっと前”からアサインします。

それは企画や提案段階から参加という意味ではなく(企画や提案から入ることも多々ありますが)、例えば、数百ページもあるような商品カタログ制作の場合は、クリエイティブワークの前に様々な準備が必要です。

制作する際に絶対必要な商品の特徴や商品画像などの原稿を集める業務、集めた原稿に不備がないかのチェック、不備があった際に確認を取るための取材活動、出来上がった見本を各所に郵送する業務など、裏側では多様な業務が発生しています。。。

いかにもクリエイティブ!って業務の周りにある、あまりスポットライトの当たらないお仕事から請け負ったりもしているんです。

そういったお仕事はBPOと呼んだり、事務局運営と呼んだりしますね。

私の会社では、本業務に携わるスタッフは事務局スタッフと呼ばれていて、その後に展開されるクリエイティブ業務には基本的に関わらない専任のスタッフ、言わば事務局のスペシャリスト達です。

とは言え、自分たちが担当する業務の全体像を知らないまま業務に入ってもらうと、どうしても与えられた仕事の表面しか見えないので、そこに至った経緯や紆余曲折も見えず、気を利かしてくれたことがかえって迷惑に繋がったり、それを指摘すると言われたことしかできなく(やらなく)なったりと、やる気を無くしてしまいますし、例えそれが小さな歪みでも大きなミスに繋がるので、なるべくなら事前に解消したり予防線は張っておきたい部分です。
それこそ、何百ページもあるような商品カタログなんてのは大きなプロジェクトなので、それに超したことはありません。

3人のレンガ職人の話ではありませんが、目的が見えない業務だと良い結果は生まれにくいです。

前段階だからこそ、目的をしっかりと理解して仕事に取り組んでもらったほうが、その後のクリエイティブ業務へとスムーズに移行できるので、同じ目標(目的)を共有しておくのはとても大事です。
なので、年に数回こういった話をして、目的を知って行動することの大切さを再確認しているのです。

では、どんなことを話したのか

目的を知って行動してもらうことと、デザインについて語ることは、全く繋がりのないことのように思えますが、実は限りなく近しい間柄です。

近しいと言っても、非デザイナーの人にデザインのTIPSなどの技術的な話をしても響かないどころかチンプンカンプンですし、そもそもデザイナーになってほしくてウェビナーを開いている訳ではないので、そういった話は一切しません。

まずはデザインについて話しておく必要があります。

一般化してしまったデザインの意味

非デザイナーが、「デザイン」というキーワードを見聞きするのは、「その服のデザインいいね!」とか「デザイナーズマンションおしゃれ~」みたいなところだと思います。
物理的なモノがあって、その見た目の美醜をジャッジするものがデザインだと。

なので、デザインしようぜ!やデザイン楽しい!みたいな話を一方的にしても壁があるんですよね、「私はデザインセンスがないから~」とか「絵が上手に描けないんでちょっと。。」といった感じで。

なぜ、そのような固定観念なのかはわかりませんが、「デザインとはなんぞや」の答えは「オシャレ」ではなく「課題解決の一つの方法」です。

デザインは匠の技です

そもそもデザインって言葉は日本語で「意匠(いしょう)」と書きます。
「意」は意味、意思、意義、意図、意向、意見などそれらの「匠」という訳です。
デザインは美醜をジャッジするだけのことではなく、デザイン対象の、考えや想い、内容や価値、目指すこと、を汲み取って解決に繋げること、存在する意味や伝えたい思いや考えを形にしたり、流れを作ったりするのがデザインなのです。

身の回りにある「デザインされたもの」を読み解いていくと、
スマホは手に持ちやすく操作しやすい形状、ポケットにも入るようなサイズ感、
PCマウスは手のひらに収まり、人差し指で操作するのに丁度良い位置にページスクロールなどに使用するホイールが付いています。
激安スーパーのチラシは価格が売りなので価格表記を大きく、高級マンションのチラシはオシャレな内装の写真を多く掲載し、価格は見えないくらいに小さいです。
それぞれに目的を持っていて、その目的を叶えるためにデザインがあります。

非デザイナーでもデザインはできる!

いかに「意」が伝わりやすく表現されているか、が最も重要なので、そう思い直してみると「デザイン」って思ったより簡単そうに見えません?(デザイン界の巨匠や、その道のトップオブトップへの挑戦状みたいな言い回しになってしまいましたが。。)

技術スキルが必要なアウトプットは他の多くの仕事同様に修練は必要ですが、目指すべきゴール(目的)が少し明確になると、「こっちの表現のほうが適している」ってジャッジはしやすいですよね。
「こっちの表現のほうが適している」って判断の材料として、美醜もその一つではあるのですが、それだけで決められることでないんです。

スポンサーリンク

考え方を学んでもらうきっかけとして

デザインをする目的(ゴール)を考えることは非常に大切。
Photo by Alfred Aloushy on Unsplash

前述の通り「デザインってオシャレなものを作るんじゃなくて、意を伝わりやすく表現することね!」と、デザインの本来の目的について話しました。
そしてデザインや多くのクリエイティブワークのように「まずは目的を知ること」そして「それに向かって行動する」ことは全ての仕事に共通することで、これを意識して業務にあたることは、結果的に自身の仕事やプロジェクト全容への理解も深まり最適解を導きやすくなると言えます。

つまりは仕事が上手く回るようになるということです。
ただ、目的はそれだけではないんですよね。
これから(今)の時代の考え方を伝えることも目的としています。

デザイン思考やデザイン経営などのワードをたまに聞くのですが、モノや情報が溢れている時代だからこそ、ユーザー目線に立ったサービス提供は必要だからです。
そのあたりはこっちに書いてます。

デザイナーにも伝えたいこと

私はDTPオペレーターからグラフィックデザイナー、Webデザイナー、ディレクター、クリエイティブディレクターと少しずつ仕事の領域を変えていっているのですが、グラフィックデザイナーからWebデザイナーに移行するタイミングはグラフィックデザインを扱わない部署への異動だったので抵抗がありました。

何も成していない(これは今もそうなのですが。。。)のに領域を変えることは負けたってことなんじゃないかと。

でも、実際は違っていて、デザインが求められているフィールドが変わっただけで、そこにデザインを提供することに変わりはなく、そもそも人々のライフスタイルが変われば、求められる場所も変わるのは自然なことと気付きました。

要はデザインじゃなく、グラフィックデザインが好きだったと。
そして、グラフィックデザイナーとして生きていくのではなく、デザイナーとして生きていくと決めました。

お金の管理やスタッフマネジメント、企画・提案など領域が拡がり、いつのまにかクリエイティブディレクターをやってはいますが、最近は動画もじゃんじゃん作ってますし、グラフィックデザインも多く取り扱っています。

こっちの考え方のほうがデザイナーとして長生きできると思っています。

何を選ぶかは自分次第ですが、そのことをデザイナーに伝えたいというのも目的でしたね。

そんなウェビナーでしたが、その後のアンケートでも褒めてもらえてとても良かったです。
ただ、資料作りは本当に大変でした。。。

スポンサーリンク
Recommend Contents